「天の川」リリース記念!~スペシャル対談~
Michiluca × イヴ・ダルビエ(アニメーション作家)
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3月10日にリリースされるMichiluca(ミチルカ)のニュー・シングル『天の川』(NHK みんなのうた/2010年2-3月の歌)は、総合テレビ・教育テレビで絶賛放送中。おおらかで美しいメロディの上を、〈 空に願いをかけた 君のその悲しみが やがて僕の胸に溶けて 川となりますように 〉と、まるで天までも届きそうな伸びやかな歌声で和津実(Vo.)が歌う。そんな『天の川』にぴったりの映像世界を与えたのは、「みんなのうた」のアニメーションを手がけた日本在住、フランス人アニメーション作家、イヴ・ダルビエ。これが本当に素晴らしい!観ていると、いろんな記憶、懐かしい思い出が浮かんでくる、心温まる感動のアニメーションに仕上がっています。ということで、そんな両者の対談をお届けします(イヴさんも片言の日本語で頑張って話してくれました!)。
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撮影:山本真司 テキスト:堂前 茜 協力:ダブルトールカフェ渋谷店
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この曲はどのようにして生まれたんですか?
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和津実:
1年くらい前、“NHK みんなのうた”からお話を頂いたことから始まったんですけど、そこから少しずつ動いていって。
皆倉崇良(Gt.):
最初、サビのメロディがふっと出てきて……なんだろう、そこから急に曲が出来上がっちゃった感じで(笑)。
和津実:
曲を作る時、いつも何かを意識してやるよりも、自然に出てきたものの方がしっくりいくことが多いんです。それで、この曲も自然発生的に生まれました。
皆倉:
歌詞は、最後のサビの部分、〈 風の吹き荒れる日も 花の咲き誇る日も 〉という1フレーズとAメロはあったんです。凄く中途半端ですけど(笑)。でも、これ以上は僕だけでは膨らませられないなと思って、歌詞は和津実ちゃんに相談しました。
和津実:
最初に曲を聴いた時、
「大きな曲だな」と思いました。
それと、カイさんにこの曲のイメージを聞いたときに異国っぽい感じがあると言っていたのが印象的でしたね。
皆倉:
そう、日本だとしても、何百年か前に戻ったかのようなイメージがあった。
和津実:
そういう会話を、歌詞を考える時に2人でしていて、それを踏まえつつ、主人公は、なんとなく男の子だなと思っていました。それで、アニメーションがいざ付くとなった時、NHKのプロデューサーの方とお話しさせていただいて、そういったイメージの断片を伝えました。そうしたら、何かひらめきがあったようで、それでイヴまで繋がっていったという流れです。
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イヴさんは、最初にその話がきた時、どうでしたか?
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イヴ:
まず、『天の川』のデモを聴いたとたん、僕はすぐにこの歌の意味が分かりました。曲を聴いたら、和津実さんの声が、第一印象、子供の声の様に聴こえました。実は、僕も子供のイメージが最初からあったのです。子供の持つ、ユニヴァーサルな世界観がありました。それで、僕の仕事のパートナーのダミアン(CG担当)とも相談して、やろうと決めました。この曲と、僕の中にあるイメージが、ぴったりマッチしていたのです。
和津実:完成して、初めてイヴとダミアンと話した時、2人が「この曲はとてもイメージがしやすかった」と言ってくれて。
その時、話を訊いて思ったんですが、元々、あのアニメーションの構想は私たちの曲とは関係なくイヴの中にあって、そのイメージと私たちの曲がちょうどぴったり合ったんだな、と。最初、絵だけを見せてもらった時、男の子とウサギのぬいぐるみがいて、「どんなウサギなんだろう?」と、素朴に思いました。その後、絵コンテを見せてもらって、「こういうお話が付くんだ!」と、驚いたのを覚えています。私がイメージしていた世界とは全然違ったのですが、「これは絶対いい作品になる!」という予感がして、感動しました。お互いが持っているものがコラボレートして、ひとつに合わさって、1つの作品が完成したんだなぁ、という感じがしています。事前に「どういうアニメーションにしよう?」という話し合いはしていなかったのに、別々のフィールドにいたお互いが運命的に出会って、いろんなことが重なり、完成した、というか…。
アニメーションには、男の子と、彼が大事にいつも持っているウサギのぬいぐるみしか出てきません。2人だけの世界が広がっている訳ですけども、そのウサギが本当に可愛いんですよね。
和津実:
あのウサギのぬいぐるみは、イヴが小さい時に大事にしていたぬいぐるみなんだよね?
イヴ:
(照笑)。
和津実:
それがモチーフになったんだということを、スタッフを通して聞 きました 。 イヴが 私たちの曲を聴いて、インスピレーションがわいて「これだ!」と、自分のプライヴェートの思い出と繋げてくれたのが凄く嬉しくて。そういう大事な物語を「天の川」に使ってくれたのは、本当に嬉しかったですね。 |
全編セピア色のニュアンスが強いですが、イヴさんの小さい頃の記憶が元になったところもあるんでしょうか?
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イヴ:
私のプライオリティは、決められた時間内でいいアニメーションを作ることでした。たくさんの色も好きだけど、
今回はあえて、コントラストと、ライト&シャドウだけ。イメージとしては、最初から最後まで、柔らかいイメージで作りあげたかった。オレンジとか、太陽や夏のイメージ。そういうイメージがありました。
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和津実:本当に、あの男の子とぬいぐるみの物語は素敵だと思いますね。
皆倉:
観ていると、毎回いろんな発見があるんですよ。いろんなところに、いろんなものが潜んでいるというか。
篠原:
そうそう。観るたびに違う印象がある。
野口:
イヴのアニメーションでMichilucaの音楽の世界が広がったような気がする。
和津実:
「愛」があるよね。なんか胸が打たれる。
イヴ:
子供はいつも、こんな感じがしますね。大人が知らないだけで、子供とぬいぐるみだけしか知らない物語が、たくさんあると思う。子供の頭の中、心の中だけのね。それを毎日、持ってるんだと思う。どこでもぬいぐるみと一緒に出かけたりして。外からは、可愛いだけのぬいぐるみでも、子供にとっては、もっと別なところで、大事な存在です。
篠原:
『天の川』は、観ている子供にとっても、夢を与えるような、素敵なアニメーションだと思って…。人形にも、命が吹き込まれているから、男の子と一緒に空を飛んだりして。
イヴ:
あと、『天の川』の歌詞の中に、「愛」を感じますね。それを伝えるのに、よくあるような普通の話で映像を作りたくなかった。少し風変わりというか、みんなが知らないような話を作りたかった。普通は、ぬいぐるみで遊ぶのは女の子だろうけど、私のイメージでは、男の子とぬいぐるみにしたら、面白いと思って。歌うのも、男の子が歌うのは、自然過ぎると思った。だけど、オリジナルなものにしたかったから、ウサギが歌うことにしました。男の子は歌いません。ウサギは男の子のことを愛しているんです。
和津実:
男の子の方が、ぬいぐるみより体も大きいし、ウサギを守っているような感じに見えるけど、実はそうじゃなくて、ウサギがいつも男の子のことを見守っているんだよね。
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歌う時に、意識したことはありますか?
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和津実:
アニメーションが仕上がる前だったので、自分の中のイメージだけで歌ったんですけど、群青色とか、宇宙とか、何か壮大なイメージがあって。さっきイヴは、太陽や夏と言ってたけど、その違いがまた面白いですね。私は月や夜のイメージがありました。だけど、〈 風の吹き荒れる~ 〉という箇所は、暗いイメージはなくて、草原が広がっているようなイメージで…。その辺は共通でしたね。全体的には、何か大きいイメージで歌いました。
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最初と最後のシーンで電車が出てきますが、細くて長い足が付いた変わった形で、凄く面白かったです。
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イヴ:
この電車は、10年位前に、夢で見ました。夢の中では、電車に乗って、
僕とお父さんが一緒にいました。長い足が印象的な電車でした。たまに、夢が面白い時は、目が覚めたらすぐに、絵を描いたりします。多分、この絵はいつか使うだろうと、思っていました。普通、電車は重いけど、この電車のイメージは、すごく軽かったんです。
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非常に独創的で、物語がより不思議な印象になりました。
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イヴ:
ものを作る時、私の中で一番重要なのは、絵じゃなくて、フィーリング。ミステリアスなものが好き。初めて見るような、不思議なもの。だけど、綺麗だなというようなもの。
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意外にそういうものの方が記憶に残ったりしますよね。宮崎駿さんの映画のキャラクターとかもそうですけど。
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イヴ:
宮崎駿さんのアニメは大好きですね。
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日本の住み心地はどうですか?
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イヴ:
もう5年くらいいますけど、日本は大好き。食べ物も。ただ、こんにゃくはちょっと苦手。
一同 :
(笑)。
イヴ:
なんていいますか(笑)、大きなこんにゃく、あれがあまり好きじゃない。こんにゃくパスタは、大丈夫。
皆倉:
……糸こんにゃく、白滝のこと?
イヴ:
そうそう! おでんとかに入っているヤツ。
一同:
(大笑)。
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NHKみんなのうた「天の川」
映像: Yves Dalbiez(イヴ・ダルビエ)
1980年フランス・リヨン生、東京在住のアニメーション作家。フランスの映像制作会
社勤務の後、2005年来日。LUDENS社にてNHK”WOO”全12話で3Dキャラクターアニ
メーションを担当した後、自身の作・監督によりアニメーション・シリーズ「すてき
なルネ"RENE"」を同社にて手がける。以来、映画「嫌われ松子の一生」「ハチミツと
クローバー」でキャラクター・デザインおよびキャラクター・アニメーションを手が
け、「パコと魔法の絵本」では主席3Dアニメーターを担当。
繊細な色使いと大胆なカメラワーク、類稀な音楽性を併せ持つ若き映
像詩人として注目されている。2003年の独自制作短編アニメ「RIBA」ではフランス・
スペインで受賞、アメリカのSIGGRAPHを始め世界20箇所以上の映像祭で上映され高
い評価を得ている。
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天の川に寄せられた“みんなのこえ”はこちらから。
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1st Single"天の川"
¥1,500-(in tax)DDCB-14011
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